令和8年自動車運転死傷処罰法、道路交通法改正?交通安全で2つの法律が改正されるってどういうこと?

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前回投稿記事に関連して、令和8年7月21日に施行された「危険運転死傷処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)」と9月1日に施行された「道路交通法」について、車の運転、違反、事故などに関するこれらの法律の違いから少し深堀していきます。

「危険運転死傷処罰法」と「道路交通法」。今回はこの「なんやしらんけど、なんか違うん?」にちょっと焦点を合わせてみます。

飲酒運転や速度超過という同じことを調べると2つの法律があることがややこしさの元かなと思いますがその違いは適用の仕方にあります。「道路交通法違反」は交通違反や危険な運転そのものを罰する法律で行政法などの範疇にはいります。かたや「危険運転死傷処罰法」は交通違反や危険な運転をして人を死亡させたりケガをさせたりした結果を処罰する法律で特別刑法となります。

同じ「酒酔い運転」でも「酒酔い運転」をしたことで処罰されるのか、「酒酔い運転」で事故を起こして人を傷つけてしまったことで処罰されるのかの違いです。刃物を持っていることで罪になります(銃刀法違反)が、その刃物で人を傷つける結果をおこした場合、より重い罪(傷害罪)になります。酒に酔って、あるいは大幅にスピードを超過して道路を走ること自体が、すでに道路交通法上の犯罪です。事故を起こしていなくても、警察に検挙されれば刑事罰(懲役や罰金)と行政処分(免許取消しなど)が科されます。

その運転によって人を死なせたり、ケガをさせたりした瞬間、話は別次元に変わります。適用される法律が「道路交通法」から、より重い「自動車運転処罰法」(危険運転致死傷罪)に切り替わるのです。

罪の重さがまったく違う

この「結果の有無」による差は、刑罰の重さに如実に表れています。

罪の性質法定刑の目安
道交法の酒酔い運転罪(事故なし)危険な行為そのものへの処罰5年以下の拘禁刑 または 100万円以下の罰金
危険運転致死傷罪(人を負傷)危険な行為+負傷結果への処罰15年以下の拘禁刑
危険運転致死傷罪(人を死亡)危険な行為+死亡結果への処罰1年以上20年以下の拘禁刑

事故を起こしていない酒酔い運転と、それが原因で人を死なせてしまった場合とでは、刑の重さがまったくの別世界であることがわかります。

覚えておきたい1行まとめ

「危険な運転をした」だけなら道路交通法。
「危険な運転をして人を死傷させた」なら危険運転致死傷罪。

この一線を頭に入れておくと、ニュースなどで「危険運転致死傷罪で送検」「道交法違反で検挙」という報道の違いも、格段に理解しやすくなるはずです。

みんなが「危険な運転だなぁ」と感じる運転が危険運転なんですが、やっぱりそこは人によって感じ方が違うので法律では「危険な運転は〇〇だよ」と決めているのです。では、この「危険な運転」というのは、どういう運転か?

「危険運転」=法律が名指しした8種類の”特に悪質なパターン”に当てはまる運転のことなのです。

以下に8種類の運転を示します。

  1. 酩酊運転型 ― 酒や薬物の影響で正常な運転が困難な状態(2026年7月改正で数値基準0.5mg/L以上を追加)
  2. 高速度運転型 ― 道路や交通状況に応じて重大な危険を回避することが著しく困難な高速度での運転(同改正で速度の数値基準を追加)
  3. 未熟運転型 ― 運転の技能が著しく未熟(ほぼ運転できない状態)であるのに走行させる行為(無免許運転などです)
  4. 妨害運転型 ― 通行中の他の車や歩行者に著しく接近したり、割り込んだりして、あえて危険を生じさせる行為(いわゆる「あおり運転」)
  5. 信号無視型 ― 赤信号をことさらに無視し、かつ重大な危険を生じさせる速度で走行する行為
  6. 通行禁止道路運転型 ― 通行禁止の道路を、重大な危険を生じさせる速度で走行する行為
  7. 病気の影響型 ― てんかんなど、一定の病気の影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態での走行
  8. 殊更滑走等型(ドリフト・ウィリー) ― ことさらにタイヤを滑らせたり浮かせたりして車両の制御を困難にする行為(2026年7月改正で新設)

この中で令和8年度の法改正では飲酒運転のアルコール濃度の数値基準および速度違反の超加速度の数値基準が明確にされました。さらにドリフト・ウィリー運転が加えられました。

これからも車の運転や交通に関する法律などに関することも書き記していこうと思います。

ご安全に!

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